前回お伝えしたPASONAの法則ですが、新PASONAの法則もあることをご存知ですか?
PASONAの法則は1999年に日本を代表するマーケッターである神田昌典氏によって開発されたターゲットの心を動かし、購買意欲を引き出すセールスコピーの文章の型です。
PASONAの法則では、P・A・SO・N・Aの単語の頭文字をとっていました。
ですが、新PASONAの法則では、P・A・S・O・N・A、それぞれの単語の頭文字に変わります。
どのように変わったのか、そしてどんな違いがあるのか、例文も交えて解説していきます!
旧PASONAの法則と新PASONAの法則の違い
新PASONAの法則 | 旧PASONAの法則 | |
P | Problem (問題) |
Problem (問題) |
A | Affinity (親近感) |
Agitation (扇動) |
S | Solution (解決策) |
Solution (解決策) |
O | Offer (提案) |
ー |
N | Narrowing down (絞込) |
Narrowing down (絞込) |
A | Action (行動) |
Action (行動) |
新旧PASONAの法則の違いについて簡単に説明します。まず、旧PASONAの法則について見ていきましょう。
旧PASONAの法則
1999年に提唱された旧PASONAの法則は、次の5つのステップから成り立っています。
- Problem(問題)
- Agitation(扇動)
- Solution(解決策)
- Narrowdown(絞込)
- Action(行動)
この5つの頭文字を取って「PASONA(パソナ)の法則」と呼ばれています。この法則に従うことで、最終的に人々が消費行動を取りやすくなります。
新PASONAの法則
次に、新PASONAの法則について見ていきます。
新しい法則では、ステップが6段階に増えています。
- Problem(問題)
- Affinity(親近感)
- Solution(解決策)
- Offer(提案)
- Narrowdown(絞込)
- Action(行動)
変更点の詳細
旧PASONAの法則では「扇動」が含まれていましたが、新PASONAの法則ではこれが「親近感」に変わり、読者に寄り添うステップが追加されました。
また、「解決策」と「提案」が別々のステップとして明確に区別されています。
これにより、読者に対してより親しみやすく、具体的な解決策を提供することができます。
旧PASONAの法則と新PASONAの法則の例文の違い
それでは、旧PASONAの法則と新PASONAの法則の例文の違いを見ていきたいと思います。
旧PASONAの法則での例文
商品: 化粧品(アンチエイジングクリーム)
【例文】
- Problem(問題)
「最近、肌のシワやたるみが気になりませんか?」 - Agitation(扇動)
「このまま放置すると、ますますシワが深くなり、たるみが目立つようになります。鏡を見るたびにがっかりする日々が続いてしまいます。」 - Solution(解決策)
「そんな悩みを解決するために、当社のアンチエイジングクリームが登場しました。このクリームは肌の弾力を取り戻し、シワを目立たなくする効果があります。」 - Narrowdown(絞込)
「このクリームは今だけ限定100個、さらに購入は50歳以上の方に限定しています。」 - Action(行動)
「今すぐこちらをクリックして購入してください。肌の若返りを実感してください。」
新PASONAの法則での例文
商品: 化粧品(アンチエイジングクリーム)
【例文】
- Problem(問題)
「最近、肌のシワやたるみが気になりませんか?」 - Affinity(親近感)
「私も同じ悩みを持っていました。朝起きるたびに鏡を見るのが嫌になる気持ち、よく分かります。」 - Solution(解決策)
「そんな悩みを解決するために、当社のアンチエイジングクリームがあります。このクリームは肌の弾力を取り戻し、シワを目立たなくする効果があります。」 - Offer(提案)
「さらに、このクリームには天然成分が豊富に含まれており、敏感肌の方でも安心して使用できます。実際に使ってみたお客様からも大変好評をいただいております。」 - Narrowdown(絞込)
「このクリームは今だけ限定100個、さらに購入は50歳以上の方に限定しています。」 - Action(行動)
「今すぐこちらをクリックして購入してください。限定販売なのでお早めに。肌の若返りを実感してください。」
違いのポイント
この2つの違いには、以下の3つのポイントが上げられます。
- 親近感(Affinity)の追加
- 解決策(Solution)と提案(OOffer)の区別
- 行動を後押しする(Action)
詳しく説明します。
①親近感(Affinity)の追加
新PASONAの法則では「親近感」のステップが追加され、読者に対して共感を示します。
このステップにより、読者は商品に対してより親しみを感じ、信頼感を抱きやすくなります。
②解決策(Solution)と提案(Offer)の区別
新PASONAの法則では「解決策」と「提案」が別々のステップとして区別されており、具体的な提案を示すことで読者が納得しやすくなります。
③行動を後押しする(Action)
両方の法則で行動を促しますが、新PASONAの法則では親近感と具体的な提案を経て行動を促すため、読者が自然に次のステップに進みやすくなっています。
新PASONAの法則は、読者との信頼関係を重視し、より具体的で実践的な提案をすることで、商品を手に取ってもらいやすくする効果があります。
どちらの法則が良いのか
旧PASONAの法則と新PASONAの法則のどちらが良いかは、目的や状況によって異なります。
それぞれの法則のメリットと適用シチュエーションを見てみましょう。
旧PASONAの法則のメリット
- シンプルで明快: ステップが少なく、簡潔で分かりやすい。
- 強い訴求力: 問題を煽ることで強いインパクトを与える。
- 直接的な行動促進: 絞り込みと行動喚起に焦点を当てることで、即時的な反応を促す。
適用シチュエーション
- 急いで結果を出したい場合: 短期間で成果を上げたいときには、インパクトの強い旧PASONAの法則が効果的です。
- ターゲットが既に問題を認識している場合: 問題が明確であり、すでに解決策を求めている読者に対しては、旧PASONAの法則が効率的です。
新PASONAの法則のメリット
- 読者との信頼関係の構築: 親近感を持たせることで、読者に安心感を与える。
- 具体的な提案: 解決策と提案を分けることで、読者が納得しやすい。
- 読者に寄り添う: 親しみやすさを重視し、読者の立場に立って問題解決を提案。
適用シチュエーション
- 長期的な信頼関係を築きたい場合: 長期的にブランドの信頼を築きたいときには、新PASONAの法則が効果的です。
- ターゲットが問題に気付いていない場合: 問題に気付いていない、または解決策を明確に理解していない読者に対しては、新PASONAの法則が適しています。
まとめ
どちらの法則が良いかは、あなたの状況や目的、ターゲットに応じて選んでください。
例えば、長期的に信頼関係を築きたい場合は、新PASONAの法則のほうが親しみやすく、理解しやすい内容を提供できるため、より効果的かもしれません。
対して、短期間で強い訴求力を持つコピーを必要とする場合には、旧PASONAの法則が適しています。
あなたのターゲットや目的に合わせて、最適な法則を選びましょう。
旧PASONAと新PASONAの法則をうまく使い分けて、ビジネスに反映していってくださいね!